未来へ
対極のホント
そうあるだけで
未来、この事についてクライアントさんと一緒に考える時にいつも感じている事があります。それは未来への答えを求めながら過去からの警戒を手放さないでいるという事です。過去を忘れていない、それは記憶としては不自然ではありません。過去と今と未来の私は繋がっているように見えます。もし過去に心の痛みになるほどの出来事があったり、もう今ではどうしようもない問題を抱え込んでいたら、それはそれは強固な鎖のように今も自分が縛られているように感じている事でしょう。
でも未来を思う時には、過去の自分を怖れないで下さい。それはあらゆる過去です。良くも悪くも過去にこうしたから…過去にこう味わったから…過去にこうしたから…過去にこうされたから…この過去の私をどうか怖れないで下さい。そして未来についても怖れる必要はありません。いやそんな事言ったってと言われますが、それってまだ起こってない想像ですよ。もちろん実現しないという意味での想像ではありません。今の貴方に過去にも未来にも怖れて欲しくないだけです。
だから… 未来に怖れを感じる時、それは過去の自分が最も強く怖れている事に気づいて下さい。
過去の私が、知らぬ間に今の私の「保護 兼 監視人」になっていませんか。この人は見守ると同時に猜疑心の持ち主です。貴方の安全を図ろうとしていますが、何か厭な事が起こるのではないかと警報を鳴らします。この人は貴方を信頼していない訳ではありません。しかし常にその役を怠らないのです。貴方に気づかれるまでは。
過去の私を怖れない目的を持ち行動をとって下さい。そうすればこの人から少し解放されます。でもまだそれでは不十分です。何か達成すればこの人はいなくなると思います? 驚かれるでしょうがこの人は貴方の成功だけを考えていません。成功、それは今の貴方がする事で、過去のこの人の仕事ではないからです。この人が本当に言いたいのは、どんなこともすべて必要だったと認めてほしいだけなのです。だから心配しないで下さい。保護と監視を止めてもらう方法があります。それは、あらん限りの「ありがとう」の思いを込め、貴方の方からこの人を解放してあげる事です。そうです。ただ愛すればよいのです。理由も理屈もいりません。どんな事をしてきたとしてもです。未来に怖れを持たずにすむ方法で最も力強く最も揺るぎない方法、それは原因を持たない愛を、貴方から先に過去と今と未来の私に与える事です。そうすれば今からしなくてはならない事もわかります。
原因を持たない愛、それは無条件の愛とも呼ばれます。
あらゆる思索をしたのに、どこにも答えを見いだせない。そんな思いをした事は誰でもある事でしょう。私もこの文章が何度登場したかわからない程です。私は太陽が乙女座にあります。古典的にいえば奇麗好きで整理整頓の達人と書かれています。分析好きで潔癖、過ぎれば堅物とも。まぁそんなとこも…。しかしふと思います。この分析力は一体どこに向かうんだ? そう…この資質がどこに還元され結果において何が達成されるのか、それがわからないと「あらゆる思索済みでも答えを見いだせない」のと同じ心境になりかねません。一体何の為?
ずいぶんと昔になりますが、心理やカルマを扱う占星学を学び初めた頃は目からウロコが落ちる日々でした。自分のとっている習慣や、陥るパターン、本能的にしてしまう他者への反応、それがめくるめく解き明かされて行きました。のどごし生に何か得体のしれない苦いものが伝わるのを感じてもいましたが。でも自分のこの乙女の資質を昇華するには、単に綺麗に分析する事を追求するだけでは何か足りないのです。「奇麗好きの分析屋」という人格を高次に昇華させるには、お掃除を極めるだけではだめなのです。でないと奇麗好きで疲れるだけの人生になるかもしれません。これはこれで磨きますが、で … 一体何の為という部分に答えがないのです。
しかし諦めない事は大切です。探究の結果…その答えは意外なところにある事に気づきました。なんと自分の反対側にちゃんと示されていたのです。チャートで見ると乙女の私に必要な要素が反対側に読み取れるのです。それは太陽魚座の示すエッセンスです。この対極に位置するエッセンスが加われば、太陽乙女座の分析力はより輝きを増して自分の本質の力と繋がるように出来ている事に気づいたのです。でも反対に位置する力がある事の本当の意味を知るまではそれに気づきませんでした。否、気づけなかったかもしれません。対極の力あなどれません。他にも90度の力もありますが…。ここは180度の話だけにしときます。
チャートの反対にある魚座のエッセンス、それは人格的には「幻想と夢見」です。高次では「普遍の理想と神の夢」と私はおきます。分析を純化の力に引き上げて分析に終わらせるのではなく、求めているもっと心豊かな在り方にする為には高次の目的が入らねばなりません。それが反対に示されている「普遍の理想としての神の見る夢」にも顕れているのです。「純化×理想」とすれば私は大きな目的をそこに見いだします。拡大された答えが見つかるのです。対極にある力は決して対立していません。リスペクトする事で関わり合える力なのです。反対にあるものを相対に対峙させる事でもエネルギーを引き出せますが限界があります。相関的なものとして捉え、そこから引き出されるエネルギーはより創造的になります。自分を通して相対から相関にシフトできた時、私はもうそれは目からウロコどころではなく、一肌向けたいわば意識的脱皮したゾと思えたのです。(笑)
ちなみに、私のパートナーは太陽星座「魚」です。もちろん知ってて結婚した訳ではありません…。
尊厳、この言葉はセッションでもワークショップでもよく取り上げられるテーマです。クライアントさんとの対話の中では、その根底には必ず見え隠れします。そして同時に深く頭を悩ませるテーマのひとつでもあります。尊厳とは? 辞書ではこうあります。すべての個人が人間として有する人格を不可侵のものとし、これを相互に尊重する原理をいう。人間の尊厳、個人尊厳の原理、人格不可侵の原則。基本的人権と同義。どうやら原理のようです。
私は星を読む事を仕事にしています。読めば読むほどに、そこには好ましい事だけでなく、普通は隠したい嫌いな部分や、歪みや偏りも示されているのがわかります。好ましい方はいいのですが、逆のところを伝えるのに四苦八苦します。でも必要な時は伝えなくてはなりません。
今でもそうですが、この仕事をするにあたって尊厳という言葉がいつも脳裏をよぎります。浮かび上がった事を受けとめてもらえるだろうかと。この仕事を始めてしばらくは苦悶しましたが、今はそんなに苦労しなくなりました。尊厳の意味を自分なりに掴んだように思うからです。
私は尊厳とは生命の根底に最初からそなわるもの…だと思っています。最初からそなわるものとは、何かを為す事ではなく、何かを努力する事でもなく、期待に応える事でもなく、息のしくみを知らずとも息ができることのような、少し騒げば消え入れそうだけれども確かに生命の底に在り、侵してはならない力強いものです。
それは愛する人がただ安らぐ姿から、無邪気な子供の息づかいに見てとれるものです。だから月夜の静けさにも私たちは神聖さを感じるのかもしれません。生命がただそこに在るだけで認められ、共感され、とてもとてもとても大切にすべきもの。誰しもが守られ、生きる保証を得、そこに居られるようにとの願いに似ています。
目の前のクライアントさんは気づいていないかもしれないけれど、深いところでは自分の生命の持つ尊厳を取り戻したくてお越しになるのではないか、そこを忘れなければ受け入れる必要のある事を、今この時に受け入れてもらえるのではないか、そう信じています。何もしなくとも、何もできなくとも大丈夫。生まれた時の始めから持っているもの、ゼロではない確かな何か。だから好ましくない事であっても、ここを根底に敷いて情報を伝えたいと思います。尊厳を取り戻して欲しい、ゼロ地点、生まれた瞬間から持つ価値、だからバースチャートを読む事を仕事に選んだのかもしれません。
尊厳とは、そうあるだけで素晴らしい・・・ありのままの姿で愛し愛される普遍の約束だと・・思います。
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